アンケートによると多くの人が不満と応えたのはやはり騒音問題
新築不動産物件に住んでいる居住者たちの悩み第一位は何でしょう
各機関が行っている居住者アンケートでも、常に「不満」項目の上位を占めているのが、騒音問題である。ただ、騒音に対する感覚は、神経質な人、そうでない人というように個人差があり、一概に論じられない面がある。それは人付き合いの度合いによっても違ってくる。上階の住人が顔見知りで親しく付き合っていると、多少ドタバタされても大目にみようという気分になるが、見知らぬ人が出す音はうるさく感じてしまうものだ。
ある調査によると、隣り近所でもまったく知らない人が出す音に対しては、約六五%の人が「うるさい」と感じるという。ところが、あいさつを交わし合う関係になると、三五%ほどに減り、立ち話をする間柄になると二〇%程度になったというのだ。騒音問題は人間関係とも密接に絡んでいる。さらに音は周辺環境の影響を受ける点も見逃せない。幹線道路沿いに立地しているなど外部からの騒音が入ってくるマンションでは、少々隣りや上階の住人がうるさくしても気にならないものだ。
それが逆に静まり返っているところでは、小さな騒音でも妙に気になったりする。騒音問題は多分に受け手の心理状況や人間関係、周辺環境などに左右される面があるということである。むろんだからといって、マンションの遮音対策をおろそかにしてもいいというわけではない。あまり神経質になり過ぎるのも考えものということである。以前、遮音設計の研究者から「ホテルの空調音が大きいのは、他の客室で発生する音から気を逸らすためだ」と聞かされて、危うく信じそうになったことがあるが、仮にそんな発想で建てられたマンションがあったら絶対に選ぶべきではない。
スラブの厚さはだんだんと厚くなる傾向にある。一般的なファミリータイプのマンションでは、七〇年代までは一二〇ミリ程度、八〇年代半ばころまでは一五〇ミリ程度が主流だったが、その後は一八〇ミリ程度となっており、二〇〇ミリ、二二〇ミリというものも珍しくなくなった。
図表5…⑤スラブ厚、スラブ面積と重量衝撃音に対する遮音等級の目安資料:技報堂出版「建物の遮音設計資料」てきている。もうひとつ注意しておかなければならないのは、スラブが厚いほど重衝撃音に強いといっても、スラブの面積が広くなると効果が薄れてしまうということだ。図表5…⑤のようにスラブ厚一八〇ミリで三〇㎡のスラブ面積がある場合は、HL155程度が期待できるが、小梁を入れて支えることでスラブ面積が二〇㎡に狭まると、HL150程度に遮音性能がアップするのである。
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